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「試しに電燈をけしてみることだ」 陰翳礼讃 谷崎潤一郎

谷崎潤一郎は陰翳礼讃の中で、自分は建築については全くの門外漢であるとしながらもその著書の中に

「美というものは常に生活の実際から発達するもので、暗い部屋に住むことを余儀なくされたわたしたちの先祖は、いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った」と書いています。

満月の夜、月明かりが眩しいとさえ感じたのは、備瀬を知ってから。フクギのまあるい葉が、月灯りに照らされ、キラキラと輝いているのを部屋の窓から眺めながら、今までの東京の生活では味わうことのなかった美を発見しました。そして、雲が月を隠してしまうと、部屋には静かに闇がひろがります。

「思うに西洋人の言う『東洋の神秘』とは、斯くの如き暗がりの持つ不気味な静かさを指すのであろう」

birthでは、備瀬のフクギの森が内包する美しい闇と、翳を味わっていただきたいと陰翳にこだわった空間をご用意してお待ちしております。

想像力のつくりだした闇の怖さを超えた時にだけ見える、未知の美しさを味わっていただくために。

谷崎潤一郎の云う「まあどういう工合になるか、試しに電燈を消してみることだ」の言葉どおりに。

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